「まんが原作者インタビューズ」(伊藤 彩子)には、7 人のまんが原作者へのインタビューが収録されています。
原作の改変について全員に尋ねており、その考え方には大きく 4 通りありました。
- 改変を認めない
- 木内 一雅さん
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(まんが家がセリフを変えることは)ありえませんね。
ぼくより面白いことを考えられるんだったら、一人でやればっていうのがあるから(笑)。
(中略)
足すのはいいんですよ。
ここは一つセリフをプラスしたいなっていうのはオッケーなんです。
ただ、ぼくの書いた部分は書き直してほしくない。
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(まんが家がセリフを変えることは)ありえませんね。
- 木内 一雅さん
- 多少は構わない
- 矢島 正雄さん
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(セリフを)変えるときは、そうとう相手も気力がいるだろうから、そういうときは認めちゃう。
相手がどうしてもそうしたいと思ったなら、まあいいやって。
ほとんどないけどね。
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まんがにはまんが家の世界があるから、オレが口出しすべきじゃないっていうのがある。
合わなきゃやめればいいんだから。
ただ、一回びっくりしたことがあって……。
自分が原作やってるまんがをたまたま読んだら、話が全然進んでなくて、何週間にもわたって、エンエンと同じ戦いの場面をやってた。
ぼくの方の締め切りは毎週来てたのに(笑)。
そのときは慌てて編集者に電話したけどね。
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(セリフを)変えるときは、そうとう相手も気力がいるだろうから、そういうときは認めちゃう。
- 水木 杏子さん
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登場人物の名前を意味なく変えたがったり、ちょっとしたシーンを変えたがったり……。
それが、とても大切なことだったら、私も原作者として意議(原文ママ)を唱えるのだけれど、まあ、いいかなと(原文ママ)、と思えるところは受け入れていました。
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原作ってカットするところが多いほどいいと思っています。
私はのってしまうとつい、たくさん書いてしまうの(笑)。
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ちょうどその時(『キャンディ・キャンディ』でステアの戦死が原作と異なる回)は海外に行っていて、いがらし(ゆみこ)さんのネームの相談にものれなかったし。
私の責任でもあるの。
でも、帰国してすぐ、激しい雨の降る深夜、ゲラを受け取って、もう直せないと言われてね……。
帰り道、夫の車の中で、声をあげて泣いてしまった。
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登場人物の名前を意味なく変えたがったり、ちょっとしたシーンを変えたがったり……。
- 矢島 正雄さん
- どんどん改変して構わない
- 城 アラキさん
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まんがは「驚き」をどれだけ出せるかが勝負。
いわゆる演出法ですね。
活字という一次元の世界から、まんがという二次元の世界に立ち上げてくるのが、まんがの演出力だと思います。
この点はまんが家さんの力量に負う部分が大きいと思いますが。
だから原作者が、一字一句変えちゃいけないっていうのはナンセンスなんです。
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まんがは「驚き」をどれだけ出せるかが勝負。
- 城戸口 静さん
-
こういうセリフの方が絵柄に合うとか、もっと面白くなるっていうなら、どんどん変えてもらって構わないんですよ。
ただ、頭を悩ませて書いたキメのセリフとか、ここだけは変えてほしくないってところは、なるべく使ってもらうようにしてますけど。
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こういうセリフの方が絵柄に合うとか、もっと面白くなるっていうなら、どんどん変えてもらって構わないんですよ。
- 寺島 優さん
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(「原作はネームの段階で変えてもいいよっていうスタンスなんですか?」という問いに対し)そうですね。
やっぱり理想としては、ちば てつやさんと梶原 一騎さんの『あしたのジョー』だと思うんですよ。
原作者が、いくらまんがのことを知ってるっていっても、絵としての表現があるわけですから。
まんが家が最終ランナーなので、ガチガチに一言一句変えるなっていうふうには思っていません。
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(「原作はネームの段階で変えてもいいよっていうスタンスなんですか?」という問いに対し)そうですね。
- 城 アラキさん
- まんが家と話し合う
- 田島 隆さん
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編集長と担当が呉までぼくに会いに来てくれたとき、メシ食いながら「うちのイトコを使ってくれんか」と直談判やったんですよ。
(中略)
「東風(孝広)がまんが家であれば、イトコだし僕の方が年上だから直せって言えるけど、プロのマンガ家さんにはそこまで言えませんよね」と。
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編集長と担当が呉までぼくに会いに来てくれたとき、メシ食いながら「うちのイトコを使ってくれんか」と直談判やったんですよ。
- 田島 隆さん
「どんどん改変して構わない」とは言っても、せいぜい
程度で、
- 「包丁人味平」(作:牛 次郎/画:ビッグ錠)
- 「アストロ球団」(作:遠崎 史朗/画:中島 徳博)
- 「チャイルド・プラネット」(作:竹熊 健太郎/画:永福 一成)
- 「軍鶏」(作:橋本 以蔵/画:たなか 亜希夫)
ほどの改変は想定していないことから、これらは特殊な例であることが分かります。
ここで趣を変えて、「なんか妖かい!?」(作:きむら はじめ/画:里見 桂)を取上げてみます。
- 勝鹿 北星名義の代表作
- きむら はじめ名義の代表作
- ラデック・鯨井名義の代表作