「あしたのジョー」(作:高森 朝雄/画:ちば てつや)

「まんが編集術」(西村 繁男)の「III まんがの原作とは何か——原作付きまんがについて」より。

●梶原さんの原作って、まんが家にとってまんがにしやすい原作ですか?

それはわからない(笑)。
それは原作をもらったまんが家のスタンスだと思うんですよ。
たとえば、(『巨人の星』の)川崎(のぼる)さんは、もらった原作をそのまま絵にしていけばいいというスタンスだったと思うんです。
でも、ちばさんは格闘していくわけですよ。

●そういうのは見てわかりますか?

分かりますよ、それは。

●ああ、これはだいぶ苦労しているなって?

かなり消化されているわけですよ。
『あしたのジョー』の原作は見ていないけれども、まんがになったのを見ると、全然、梶原原作そのままって感じはしないわけですよ。

●それは、ちばさん本人もいってますね。
ずいぶん付け加えたところがあるって。

付け加えたり、変えたり。
ちばさんは、変えるにあたっては、三顧の礼をとって梶原さんの了解をとったりしたんです。
なんせ、『巨人の星』の後ですからね。
あの時代の梶原さんに普通、面と向かって、そんなこといえないですよ。
すごかったと思いますよ。

その仲介をしたのが(講談社「週刊少年マガジン」副編集長の)宮原(照夫)さんでしょう。
間に立って、それは大変だったと思いますよ。

2 つ目は、「包丁人味平」(作:牛 次郎/画:ビッグ錠)です。