「金田一少年の事件簿」(案:天樹 征丸/作:金成 陽三郎/画:さとう ふみや)は、講談社「週刊少年マガジン」に 1992 〜 2000 年に連載され、2004 年以降も不定期掲載されています。
「金田一少年の事件簿」では、大きいコマで事件の舞台となる大邸宅の外観が描かれることが多いのですが、
が写真集を無断で作画資料としていて問題になったためか、単行本第 12 巻のファイル 10「金田一少年の殺人」から、コマの外に「参考資料『アメリカン・ハウス——その風土と伝統』(講談社)」と表記されるようになりました。
また、当初は「原作:金成 陽三郎/作画:さとう ふみや」でしたが、単行本の表紙は第 20 巻/奥付は第 22 巻から、原案として天樹 征丸さんが追加されています。
天樹さんとは、編集者の樹林 伸さんのペンネームです。
噂の真相社「噂の眞相」2000 年 2 月号の「小学館のドル箱マンガ誌が舞台の『スピリッツ』編集長更迭説の裏側」(レポーター:高田 成次)に、以下の記事が掲載されました。
- 1999 年に樹林さんが講談社を退社した(事実)
- 「金田一少年の事件簿」の連載初期、ライターである樹林さんの姉が原作者だったが、実は樹林さんが書いており、姉を名目上の原作者として原稿料を受取っていた
- 講談社が経費の洗い直しを実施して、同様の疑惑が多数浮かんだ
- 講談社は横領疑惑があっても樹林さんを慰留したが、妥協案として「週刊少年マガジン」の外部プロデューサーになることになった
この記事によると、金成さんは女性ということになりますが、ラジオに出演した金成さんは男性でした。
(「金成 陽三郎」という名前からは性別を判断できません。「さとう ふみや」さんは女性です)
横領疑惑の真偽はともかく、後に天樹さんは原案から原作へとなり、金成さんは表記されなくなりました。
これは、「パイナップル ARMY」(作:工藤 かずや/画:浦沢 直樹)や「MASTER キートン」(作:勝鹿 北星/画:浦沢 直樹)で原作者が追い出されたことを思い起こさせます。
「金田一少年の事件簿」はドラマ・アニメ・映画・ゲーム化されており、ドラマの配役は以下の通りです。
役名 | 1995, 1996 | 2001 | 2005 |
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金田一 一 | 堂本 剛 | 松本 潤 | 亀梨 和也 |
七瀬 美雪 | ともさか りえ | 鈴木 杏 | 上野 樹里 |
剣持 勇 | 古尾谷 雅人 | 内藤 剛志 | 加藤 雅也 |
大ヒットした「金田一少年の事件簿」ですが、横領疑惑よりも盗作疑惑が有名です。
「異人館村殺人事件」と「占星術殺人事件」(島田 荘司)で詳述します。