「沈黙の艦隊」(かわぐち かいじ)

「沈黙の艦隊」(かわぐち かいじ)は、講談社「モーニング」に 1988 〜 1996 年に連載されました。

朝日新聞 1991 年 11 月 7 日付に、以下の記事が載りました。

朝日新聞

ベストセラー劇画
『沈黙の艦隊』に
著作権の波高し

写真家・柴田さん
『異議アリ』

「写真と多数酷似」
かわぐち氏らに抗議へ

ベストセラー劇画『沈黙の艦隊』に描かれた米ソ軍の艦艇などのイラストの五十カット以上が、写真家の柴田 三雄氏(横浜市在住)の作品ときわめて似ていることがわかり、同氏は近く発行元の講談社と作者に対し謝罪を求める抗議文を送る。
写真を劇画に転用する際の著作権をめぐっては、法律専門家の間でも見解が分かれており論議を呼びそうだ。

その後、「モーニング」に以下の記事が掲載されました。

モーニング

お詫び

本誌連載中の漫画作品『沈黙の艦隊』において、作画のさい参考にした写真の中に、写真家に対して事前の許諾を得るべきものが複数点数ありました。

漫画制作の参考とする写真資料は、原則的に漫画家自身が撮影したものを用います。
漫画家以外が撮影した写真を参考にする場合、漫画の絵との相関関係が高いものにつきましては、事前の許諾を求めることが社会常識上必要であると認識しております。

写真家柴田 三雄氏に対し、事前の許諾をうけなかったことを深くお詫びいたします。

モーニング編集長 栗原 良幸
漫画家 かわぐち かいじ

別冊宝島 1257「パクリ・盗作スキャンダル読本」の「『スラムダンク』パクリ騒動で見えてきた漫画業界のタブー パクリ騒動で人気漫画家の全作品を回収・絶版!!講談社が下した極刑の意味」(割石 哲也)という記事には、竹熊 健太郎さんの談話が掲載されています。

技法としての写真トレースは 70 年代から主流になりました。
さいとうプロなどは相当すごい資料室を持っているらしい。
戦地に赴く床井 雅美さんなどの軍事評論家に、渡航費を負担する条件で写真を提供してもらうと聞いたことがあります。
『ゴルゴ 13』だけでも、40 年近く連載しているのだから、その辺の関連資料は凄いでしょう。

昔、『さるマン』をスピリッツで連載していたとき、羽田空港の写真が欲しいときがあって、週刊ポストのライブラリから借りてきたことがある。
社内の写真だったら、只で使えるけど、共同通信などから借りると一点 5000 円しますよ。
東宝や日活などから映画のスチールを借りようとすれば、2 万円する。

著作権を侵害しておいて、お詫びをせずに開き直ったのが「編集王」(土田 世紀)です。