ITOMARU さんに、メールで「プランダ」の意味を教えて頂きました。
「プランダ」の意味が判明しました。
Planda はゲール語で「植物」、英語の Plant に相当します。
アメリカのベジタリアン向けのオーガニック石鹸メーカーに、Planda Company というのもあります。
「ケルト」「オーガニック」というキーワードが揃ったということは、植物を愛する男・勝鹿 北星 = プランダ村で、十中八九「アタリ」なのではないでしょうか。
……とかいう以前に、「Planda(植物)+ 村」で「木村」ですね。
ビンゴでしょう。
勝鹿氏が多くの PN を使い分けたのは、生涯で数十の号を使い分けた「葛飾 北斎」を意識しての事ではないかと思います。
自分の名前をブランド化することよりも、作品自体でその時々の読者と勝負したいという気概を持っていたのでしょう。
「キャンディ・キャンディ」の水木 杏子(名木田 恵子)氏も複数の PN を使い分けることを楽しんでおられたそうですが、しかし結果的にそれが、作画者に付け入られる隙になってしまったのですね。
漫画原作者の組合のようなものは存在しないそうですが(思想的に右から左まで幅のあるクセの強い作家が多いので、まとまるのは難しいでしょうし)、一度さいとう・たかを先生あたりが音頭をとって、漫画原作者の権利問題に関するシンポジウム等を開催してみては……と思ったりもします。
「ハンサムウーマン」は本当にストーリーが「本題」に入ったところでプッツリ終わっていて、残念です。
あの後、麻沙美・末広・ロイドが共闘して「大きな日本人」と対決していく物語が予定されていたのでしょうが……。
ところで、奥付の著作権表記を見ると、「© Yoji kamata」になっています。
これは「プランダ村」さんは「原著作者」ではなく、先に編集と漫画家がある程度企画を詰めてから具体的なストーリーライターとして参加した、ということでしょうね。
「MASTER キートン」のような路線で、主人公を現代的な女性にして、三角関係のロマンスなどを入れて……と枠組みを決めたところで、どうせなら本家のライターを呼ぼう、ということになったのでしょうか。
この著作権表記を見ていて思ったのですが、「MASTER キートン」の原作者名を小さくしようとしたという話、表紙の表記だけでなく奥付も漫画家の単独 © に変えるつもりだった……ということはないでしょうか?
© まで変えるとなると、法的な位置づけも変えるということであり、もしそうならば雁屋 哲氏が怒るのも当然ですね。
確認のしようもない話ではあるのですが。
勝鹿さんが参加した時期は、何とも言えないですね。
勝鹿さんから持ちかけたのではないと思いますが、どの段階から参加したのかは分からないです……。
企画を考えたのは編集部か担当編集で、鎌田 洋次さんではないでしょう。
他作品と違いすぎますから。
鎌田さんも、自分の絵柄が浦沢さんに似ていることによる連載とは分かっていたでしょうね。
とすると、最初から「MASTER キートン」をド直球で狙っており、勝鹿さんが断ったら誰が引受けたのか、となります。
「『MASTER キートン』の二番煎じ」と言われるのを承知で、火中の栗を拾う原作者が他にいたのか……。
「MASTER キートン」を浦沢 直樹さんの単独 © にしようとしたのではないか、というのもあり得る話です。
ここでは、「プランダ村」は「木村」と解釈できることを頭に留めておいて、「MASTER キートン」「ハンサムウーマン」の装丁を比べてみます。