藤本さんから、メールを頂きました。
「MASTER キートン」の原作者を探るウェブサイト、楽しく拝見いたしました。
私はあまり漫画を読まないのですが、「MASTER キートン」は珍しくはまった作品です。
この作品は以前から、回によって雰囲気が大きく違うことが気になっていたのですが、貴ウェブサイトを見て事情がよく分かりました。
回ごとの原作者を客観的な証拠から探ろうとする試み、大変面白い観点で分析されていたと思います。
ところで本題ですが、原作者を知るための手掛かりについて、私が気が付いた点をご連絡させていただこうと思いメールしました。
「MASTER キートン」の中には、地名が矛盾していると思われる箇所があります。
単行本の第 6 巻第 8 章「アザミの紋章」は、キートンが「スピー渓谷、スコットランド——」を取材しています。
一方、第 10 巻第 6 章の「ウイスキーキャットの村」の舞台は、「カルドン村、スペイ渓谷、スコットランド——」となっています。
どちらもスコッチウイスキーが物語に関わっています。
「スピー渓谷」という地名をネットなどで検索しても見つかりません。
見つかるのは、「MASTER キートン」の記事ばかりです。
しかし「スペイ」については、「スペイ川 (River Spey)」を見つけることができます。
Wikipedia の英語版で River Spey の記事を見ると、付近ではウイスキーの醸造が盛んであるとあります。
そして、Spey はスコットランド・ゲール語で Spè と綴るとあります。
私はゲール語の読み方は知らないのですが、察するに、同じ渓谷をスコットランド・ゲール語では「スピー」と、英語では「スペイ」と呼んでいるのではないでしょうか。
もしそうだとすれば、上記の 2 作は同じ作者による原作である可能性は低いと思います。
すなわち、「アザミの紋章」は勝鹿 北星氏の原作である可能性が高いということですから、「ウイスキーキャットの村」は、勝鹿 北星氏の原作である可能性が低い(つまり、長崎 尚志氏の原作である可能性が高い)と言えそうです。
「スピー」と「スペイ」の表記の違いには、全く気付きませんでした。
単行本では、確かにそうなっていますね。
両者の検索結果や Wikipedia の説明も確認しましたが、ご指摘の通りです。
これは、類似度 D にしましょう。
地名の表記の違いは、他にもあるかもしれません。
ご存知の方は、メールを下さい。
これ以上は、もうお手上げです。
手も足も出ないので、しばらく別のことを考えます。
鎌田 洋次さんというマンガ家をご存知でしょうか?
鎌田 洋次さんの作品一覧を見てみましょう。