「マスターキートン」"MASTER KEATON"

「マスターキートン」"MASTER KEATON"
(「MASTER キートン」作:勝鹿 北星/画:浦沢 直樹)
北米版(海外版)DVD の台詞(せりふ)で、英語・英会話を学びましょう。

「マスターキートン」北米版(海外版)DVD

「マスターキートン」

#16「永遠の楡の木」"The Elm Tree Forever"

英語

"I should fill you in on the cause of your father's bankruptcy first.
He was forced to sell all of his assets in order to pay out a substantial claim on an insurance policy."

"It can't be.
How could that drive one into bankruptcy?"

英単語・英熟語

fill in on 〜について最新情報を知らせる
cause 原因
bankruptcy 破産
asset 財産
pay out (大金)を払う
substantial たくさんの
claim (保険金の)支払要求
insurance policy保険契約

日本語

「まず破産の原因ですが、引受けた保険金の支払いに、全財産を充てざるを得なかったのです」

「まさか。
そんなことで、破産にまで追いやられるのか?」

解説

名詞「破産」は bankruptcy ですが、動詞「破産する」は go/become bankrupt や go into bankruptcy を使用します。
bankrupt は形容詞「破産した」です。

1, 5 行目の台詞の force「に強いる」/drive「を追いやる」という他動詞は、force/drive O to do, force/drive O into doing の形で用いられます。

私の辞書によると、force into の後には動名詞が続きますが、drive into の後は 5 行目のように名詞でもいいようです。

また、drive O C の用法も載っているので、1, 5 行目を言い換えてみます。

(1)He was forced to sell all of his assets.
He was forced intosellingall of his assets.
(2)How could that drive one bankrupt?
How could that drive one to go bankrupt?
How could that drive one intogoingbankrupt?
How could that drive one into bankruptcy?

同様の意味を持つ他動詞に compel があり、force よりも弱い強制の場合に用いられます。

この回には compel を用いた台詞もありました。

(3)Pure anger toward my father compelled me to compose.
父に対する真の怒りが、私を作曲に駆り立てた。

「マスターキートン」

#17「バラの館」"A Mansion of Roses"

英語

"She's devastated about the loss of her beloved husband.
Look at her, she can't stop weeping.
I cannot let anyone else hurt that beautiful woman's heart.
Even if you are one of my old childhood friends."

英単語・英熟語

devastate困惑させる
beloved 最愛の
weep しくしく泣く
childhood子供時代

日本語

「彼女は今、最愛の夫を失って、悲しみのどん底にいるんだぞ。
あの美しい人をこれ以上悲しませる奴は、俺が許さない。
たとえ、幼馴染みのお前でもな」

解説

接尾語 -hood は、「性質・状態・集団」などを表す名詞を作ります。

childhood 子供時代
adulthood 大人であること
boyhood/girlhood 少年/少女時代
brotherhood/sisterhood 兄弟/姉妹の間柄
bachelorhood/spinsterhood男/女の独身時代
neighborhood 近所
likelihood 可能性
knighthood 騎士道

(1)Keaton often played with Charlie in his childhood.
Keaton often played with Charlie when he was a child.
キートンは子供の頃、チャーリーとよく遊んだ。

ちなみに、childhood 「子供時代」とは、児童時代を指します。
幼児/青年時代には infancy/youth を用います。

「幼児/青年時代に」は、in one's infancy/youth となります。


「マスターキートン」

#18「フェイカーの誤算」"Miscalculation of a Faker"

英語

"So you're running for Chancellor?"

"The current Chancellor is about to retire.
I don't have the qualities for such a position but many here have insisted that I run."

"Who's your competition?"

"Speak of the Devil."

英単語・英熟語

run 立候補する
chancellor 学長
competition競争相手

日本語

「では、学長選挙に出られるのですか?」

「学長が今度、引退されるのでね。
私も柄じゃないと思うんだが、どうしてもと言う人たちがいてね」

「対立候補は誰なんです?」

「ほら、噂をすれば何とやらだ」

解説

chancellor は「学長」を表し、chancellorship は「学長の職」を表します。

今回の話では、「学長選挙に勝つ」を win the election と言ったり、win the chancellorship「学長の職を得る」と言ったりしています。

なお、elect は「投票による選出」ですが、choose は「投票でも推薦でも構わず、方法を問わない選出」になります。

「噂をすれば影」には、以下の英語表現があります。

(1)Speak/Talk of the Devil.
Speak/Talk of the Devil and he will appear.
Speak/Talk of the Devil and he is sure to appear.
悪魔の話をすると、その悪魔が現れる。
(2)To mention the wolf's name is to see the same.
狼の名を口にすることは、その狼を見ることになる。

「マスターキートン」

#19「空へ…」"Into the Vast Sky"

英語

"Yes, Hiraga residence."
Oh, Yuriko.
What are you up to?
What?
A place near Tokyo where hawks are living in the wild?"

"Yeah.
I had a hunch you would know."

英単語・英熟語

up to(計略など)を意図している
hunch直感

日本語

「はい、平賀です。
おお、百合子か。
どうした?
何、東京近郊で大鷹が生息しているところ?」

「そう。
おじいちゃんなら、知っているでしょう」

解説

3 行目の台詞を再掲します。

(1)What are you up to?

up to は、2 個の前置詞 up, to が 連結して1 つの前置詞の役割を果たしており、二重前置詞と呼ばれます。

二重前置詞 up to には、「まで」「に添って」「をすることができて」「次第で」「を意図している」などの意味があります。

この回には、「に添って」の意味の up to も用いられていました。

(2)Maybe he's been pushing himself too hard to live up to our expectations.
もしかして、あの子は私たちの無言の期待に応えようと、無理していたんでしょうか?

「期待に応える」は live up to one's expectations 以外に、come up to one's expectations も用いられます。


「マスターキートン」

#20「臆病者の島」"The Island of the Cowards"

英語

"Neal was meeting them to give them a disk containing data on a secret new asthma cure.
He was supposed to hand it over to them here."

"Why would organized crime be interested in a cure for asthma?"

"What they were after was a byproduct of the process, the stimulant... methamphetamine."

英単語・英熟語

asthma 喘息
be supposed to do〜することになっている
hand over を手渡す
byproduct 副産物
stimulant 刺激剤
methamphetamine メタンフェタミン

日本語

「ニールは、喘息の新しい特効薬の製法を記録したディスクをここで彼らに渡すことになっていた」

「犯罪組織の彼らが、何故その薬を?」

「彼らの狙いは、薬の製造過程でできる覚醒剤メチルプロパミンだ」

解説

日本語では「メチルプロパミン」と言っていますが、英語では methamphetamine「メタンフェタミン」になっています。

調べてみると、正式な化学名は 1-phenyl-2-methyl-aminopropan「1- フェニル -2- メチルアミノプロパン」のようです。

その別名が「メチルプロパミン」「メタンフェタミン」ですが、分かりやすく言えば「ヒロポン」(覚醒剤の一種)です。

日本語でも「メタンフェタミン」の方が主流の名称らしく、国語辞典で「ヒロポン」を引くと「メタンフェタミンの商品名」とあります。

日常会話で「メチルプロパミン」「メタンフェタミン」を使うことはまずないと思うので、methamphetamine よりも重要なのは stimulant の方です。

stimulate「刺激する」や stimulation/stimulus「刺激」の派生語ですね。

dope にも「刺激剤」の意味があり、スポーツで、筋肉増強剤・刺激剤・鎮静剤の利用を「ドーピング」と言いますから、1 度聞けば忘れないでしょう。

面白いところでは、pep pill も「刺激剤」を指します。
pep は pepper「胡椒」の略語なので、なるほど納得です。

同様に、pep talk は「激励演説」となります。


「マスターキートン」vol.4 台詞の個数行数

「マスターキートン」vol.4 台詞の個数行数
キャラクター 声優 台詞の個数 台詞の行数
平賀・キートン・太一 井上 倫宏 3 3
平賀 太平 永井 一郎 1 4
平賀 百合子 桑島 法子 1 2
ダニエル・オコンネル 辻 親八 0 0
チャーリー・チャップマン 菅原 正志 1 3
ロバート・フェンダース (#16) 江原 正士 1 2
ベニントン教授 (#20) 矢田 稔 2 3
エリック (#20) 楠 大典 1 1
ルパート刑事 (#20) 仲木 隆司 2 3

百合子/太平/チャーリーの準レギュラーも喋っているし、まあまあの配分ではないでしょうか。

ダニエルだけ vol.1 から 1 度も台詞を紹介できていません……。
チャーリーなんて、2 回目の登場で前回も台詞があったのに(笑)。