「マスターキートン」"MASTER KEATON"

「マスターキートン」"MASTER KEATON"
(「MASTER キートン」作:勝鹿 北星/画:浦沢 直樹)
北米版(海外版)DVD の台詞(せりふ)で、英語・英会話を学びましょう。

「マスターキートン」北米版(海外版)DVD

「マスターキートン」

#11「特別なメニュー」"Special Menu"

英語

"Grandpa said to say... on your next visit, don't forget to bring him a bottle of Scotch."

英単語・英熟語

なし

日本語

「おじいちゃんがね……今度帰るとき、スコッチの土産忘れるなって」

解説

Scotch は Scotch whisky の略語で、whisky は不可算名詞です。

不可算名詞の数量は、以下のように表現します。

(1)容器による表現
a bottle/glassof whiskyウィスキー 1 本/杯
a handful of rice 米一握り
(2)形状による表現
a slice of bread パン一切れ
a lump of sugar 砂糖一塊
(3)計量単位による表現
a pound of butterバター 1 ポンド(約 454 g)
a yard of ribbonリボン 1 ヤード(0.9144 m)

口語では、a glass of whisky だけでなく、a whisky も用いられます。

handful には、「一握りの量」以外に「少数」という意味もあり、通常、only や just と組合わせて否定的に用いられます。
日本語の「一握り」と同じですね。

ちょうど今回の話で、handful を「少数」の意味に用いた台詞があったので掲載します。

There're only a handful of restaurants that know how to serve Chinese cuisine properly.
本当の中国料理を食べさせる店は、数えるほどしかない。

「マスターキートン」

#12「御婦人たちの事件」"A Case for Ladies"

英語

"How much do you intend to steal from me?
I'm not afraid of blackmailers like you!"

英単語・英熟語

blackmailer恐喝者

日本語

「私からいくら取るつもりだ?
私はお前たちのような脅迫者など、怖れはしないぞ!」

解説

blackmail は名詞「恐喝」/他動詞「を恐喝する」で、blackmailer は名詞「恐喝者」になります。

黒い手紙で恐喝していたことに由来するのかな、と誰もが思ってしまいますが、この場合の black は「不法な」、mail は「税金」の意味で、語源には 2 通りの説があるようです。

  1. スコットランドとイングランドの国境で、山賊が通行人に「通りたければ、通行料を寄越せ」と脅していた
  2. スコットランドで、領主が不当な年貢を要求していた

また、この回では、ルピナス lupin(e)(ラテン名 lupinus/和名 昇り藤)の花が、事件解決のヒントとなっています。

辞書を引くと lupin(e) の花言葉は「貪欲」とあり、綴りと花言葉からアルセーヌ・ルパン Arsene Lupin との関連が浮かびますが、ルピナスの花は狼のように各地にはびこるので、lupine「狼のような」という形容詞から名付けられたそうです。

lupine には「貪欲な」という意味もあり、花言葉に繋がっています。

更に、ルピナスの花は古代ローマからあるのに対し、アルセーヌ・ルパン第 1 作は 1905 年発表です。

ルピナスを誕生花としている日を調べると、色々な説があります。
私が見ただけで、3/6, 3/10, 4/29, 4/30, 11/2, 11/9, 11/26 がありました。

さすがに、誕生花の花言葉として「貪欲」は挙がっておらず、「母性愛」が掲載されていますが、この花言葉は私の辞書には載っていません。
「貪欲」はあんまりなので、後から作ったような気がしますね(笑)。


「マスターキートン」

#13「穏やかな死」"A Peaceful Death"

英語

"The bomb in that bag is my masterpiece.
Once it starts ticking, I don't know if even I could stop it..."

英単語・英熟語

masterpiece傑作
tick チクタクとなる

日本語

「そのバッグの中身は、俺の最高傑作だ。
作動したら、俺でも分解できるかどうかだよ……」

解説

2 行目の台詞の once は接続詞「一度〜すると」です。
本来、once は副詞なので、(1) は (2) の省略形です。

(1)Once it starts ticking, I don't know if even I could stop it.
(2)If onceit starts ticking, I don't know if even I could stop it.

なお、(1), (2) とも主節の if は「もし〜だったら」ではなく、「〜かどうか」の意味です。

(2) の once は「一旦」の意味ですが、once には「1 度」「かつて」の意味もあり、「1 度」の場合は文末、「かつて」の場合は文中に置かれることが多くなります。

(3)Keaton told Yuriko once.
キートンは百合子に 1 度話した。
(4)Keaton once told Yuriko.
キートンはかつて、百合子に話した。

once を文中に置く場合は、(4) のように一般動詞の前/(5) のように be 動詞の後になります。

(5)Keaton was once an officer in the SAS.
キートンはかつて、SAS の曹長だった。

「マスターキートン」

#14「心の壁」"Wall in One's Heart"

英語

"I deserve to suffer.
I abandoned them both.
So, I deserve whatever punishment is coming to me."

英単語・英熟語

deserve (賞罰など)に値する/賞罰などを受けるに値する
suffer 苦しむ
abandon を見捨てる
whatever どんな〜が…しようとも
punishment

日本語

「私は苦しんで当然なんだ。
あの 2 人を見捨てたんだから。
どんな報いを受けても当然なんだ」

解説

1, 3 行目の台詞を再掲します。

(1)I deserve to suffer.
(2)I deserve whatever punishment is coming to me.

(1) の deserve は to 不定詞を目的語とする他動詞であるのに対し、(2) の whatever 以下は譲歩節なので、自動詞であることが分かります。

(2')Whatever punishment is coming to me, I deserve.

また、この回の別のシーンから whatever を用いた台詞を拾います。

(3)She said I could do whatever I wanted with it.
捨てるなり売るなり、好きにしてくれって。

(2) は形容詞の whatever で、「どんな〜が…しようとも」の意味である一方、(3) は複合関係代名詞の whatever で、「〜することは何でも」の意味です。

更に、この回には、関係代名詞の what も用いられていました。

(4)I want to do what I can to find them both.
私はどんなことがあっても、2 人を捜し出したい。

(4) の what は「〜するものは何でも」の意味で、everything や anything で置換えることができ、実際に、置換された台詞も用いられました。

(5)I want you to do everything you can to find Rosa.
何があっても、ローザを捜し出して下さいね。

なお、(4) で「2 人(母娘)」だったのが、(5) で「ローザ(娘)」だけになっているのは、母親の死亡が判明したからです。


「マスターキートン」

#15「長く暑い日」"Long Hot Day"

英語

"I'm heading to Pamplona.
When does the bus come?"

"No more buses today.
You may catch one still, but from the town of Burguete.
But you won't get there until dark."

"No problem.
I'm used to walking."

英単語・英熟語

なし

日本語

「パンプローナに行きたいんですが、バスの時間って分かりますか?」

「今日はもう出ないよ。
ブルゲーデ村まで行けば、まだバスはあるけどね。
今からじゃ、日が暮れちまう」

「足には自信がありますから」

解説

7 行目の台詞を再掲します。

(1)I'm used to walking.
歩くのには慣れている。

be used to には(動)名詞、used to には動詞の原形が続きます。

be used to doing〜に慣れている
used to do 〜したものだ

(2)Keaton used to take a walk in the park.
キートンは、その公園に散歩に行ったものだ。

used to は助動詞とも一般動詞とも考えられるので、否定形は前者の場合 used not to や usedn't to、後者の場合 didn't use to になります。

(3)Keaton used not to take a walk in the park.
Keaton usedn't to take a walk in the park.
Keaton didn't useto take a walk in the park.
キートンは、以前はその公園に散歩に行かなかった。

#15「長く暑い日」は、北米版では "Long Hot Day" と直訳されています。

しかし、原作の勝鹿 北星さんは、作中のキートンの台詞の「ドッグデイズ the Dog days」の和訳として、サブタイトルを付けています(この話の主役は犬なので、それに掛けています)。

この台詞はマンガ(単行本 4 巻)だけでなく、アニメでも存在します。
更に、北米版の台詞でもちゃんと存在しているのに、サブタイトルだけは原作者の意図を汲むことができずに、"Long Hot Day" になってしまいました……。

英語表現の the Dog days とは「暑い日々」のことです。
おおいぬ座のシリウス the Dog Star が太陽と共に昇ることに由来し、7/3 〜 8/11 の期間を指します。


「マスターキートン」vol.3 台詞の個数行数

「マスターキートン」vol.3 台詞の個数行数
キャラクター 声優 台詞の個数 台詞の行数
平賀・キートン・太一 井上 倫宏 2 2
平賀 太平 永井 一郎 0 0
平賀 百合子 桑島 法子 1 1
ダニエル・オコンネル 辻 親八 0 0
ウォルター・ゴールドマン (#12) 村山 明 1 2
リチャード・コナリー (#13) 田中 正彦 1 2
シュレイダー (#14) 鈴木 清信 1 3

キートン & 百合子父娘がかろうじて入賞したものの、他はゲスト・キャラクターの台詞ばかり(笑)。