「マスターキートン」"MASTER KEATON"

「マスターキートン」"MASTER KEATON"
(「MASTER キートン」作:勝鹿 北星/画:浦沢 直樹)
北米版(海外版)DVD の台詞(せりふ)で、英語・英会話を学びましょう。

「マスターキートン」北米版(海外版)DVD

「マスターキートン」

#1「迷宮の男」"Man in a Maze"

英語

"Those men had their jackets buttoned and kept their left arms away from themselves.
Which mean they're carrying heavy guns on the left."

英単語・英熟語

keep O away from 〜O を〜から遠ざけておく

日本語

「彼らは上着のボタンを掛け、左腕を体から離していた。
つまり、左脇に重い拳銃を吊っている」

解説

button には、名詞の「ボタン」だけでなく、他動詞「のボタンを掛ける」や自動詞「ボタンで留まる」の意味があります。
他動詞「のボタンを外す」や自動詞「ボタンを外す」という場合には、unbutton を用います。

「have + 物 + 過去分詞」で、「物を〜される/してもらう」の意味なので、had their jackets buttoned で「上着のボタンを掛けていた」となります。

2 行目の台詞の which は関係代名詞の非制限用法(継続用法)で、「上着のボタンを掛けていたこと」と「左腕を体から離していたこと」の両方を指しています。
そのため、mean には 3 単現の s が付いていません。

関係代名詞の非制限用法(継続用法)の場合、前の文に ", which" とコンマで続けることが多いのですが、字幕では ". Which" とピリオドで区切っているので、台詞の紹介もそれに従いました。

音声では関係代名詞は使わず、以下の台詞になっています。

(1)It could only mean one thing that they're carrying guns.

ちなみに、heavy gun が「重機関銃」のようなものを指すこともありますが、この場合は、単なる「重い拳銃」です。


「マスターキートン」

#2「小さな巨人」"Little Giant"

英語

"I can see that Rosa is a terrorist.
But now she's fed up with the violence and willing to turn herself in.
Under German law the sentence is lighter when one turns oneself in."

英単語・英熟語

be fed up withに飽き飽きしている
turn in を引き渡す
sentence 判決

日本語

「確かに、ローザはテロリストです。
しかし今、彼女は運動に疲れ果て、自首したがっています。
ドイツの法律では、自首した方がずっと罪が軽くなるんですよ」

解説

fed は feed の過去分詞形です(過去形も feed)。
feed は、food を語源としており、「食べ物を与える」の意味です。
相手は、人でも動物でも構いません。
be fed up with の前置詞は、with 以外に about や of も使われます。

turn in は「を引き渡す」の意味なので、再帰代名詞 oneself を用いて turn oneself in とすると、「自首する」となります。

「法の下では」の英訳は under the law で、日本語と同じですね。
もしかしたら、under the law という表現が日本に入ってきたときに、「法の下」と訳したのかもしれません。

law を用いた諺を紹介します。

(1)Necessity knows no law.
Necessity has no law.
Need knows no law.
Need has no law.
背に腹は代えられない(必要に法律はない)。

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#3「ラザーニェ奇譚」"Strange Tale of Lasagna"

英語

"If you were to die now then who would be around to listen my ultimate joke?
It's a great one.
My old friend from college fled to Soviet Union after hearing it."

英単語・英熟語

ultimate究極の
fled fly の過去形(過去分詞形も fled)

日本語

「今君が死んだら、私の必殺のジョークを聞かせる相手がいなくなるじゃないか。
傑作なんだ。
学生時代の私の友人なんか、それを聞いてソ連に亡命しちまったんだ」

解説

fly には、意味により 3 通りの過去形・過去分詞形があります。
ここでは、(2) の用法です。

(1)飛ぶ fly/flew /flown
(2)逃げる fly/fled /fled
(3)野球のフライを打つfly/flied/flied

この台詞では亡命先しか出てきませんが、「A 国から B 国に亡命する」のように亡命元を入れる場合には、fly A to B とします。
to は必要でも、from は不要ですので注意しましょう。

他に「亡命する」の表現として、go into exile, be sent into exile, exile oneself がありますが、これらは from/to で、亡命元/亡命先を示します。

名詞「亡命」は asylum や exile、「亡命者」には exile や refugee を用います。


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#4「不死身の男」"Immortal Man"

英語

"How dare you swindle money from us with that phony story!
We know that you're reputed to be a proffessional con artist!
Just give us back the 100 grand!"

英単語・英熟語

How dare... ?よくも〜できるね
swindle を騙して金を取る
phony 偽の
reputed 評判の
con artist 詐欺師
grand 1000 ドル/ポンド

日本語

「よくも法螺話で我々から金を巻上げてくれたな!
お前がプロの詐欺師だということは、調べがついているんだぞ!
ジタバタせずに、大人しく 10 万ドルを返せ!」

解説

字幕では swindle money from us となっていますが、swindle us out of money の形で使うことが多いです。
音声で swindle money out of us となっているのは、稀な用法です。
前置詞(句)を from にしたのは、字幕の文字数を減らすためでしょう。

reputed は、この台詞のように to be が続いて「〜という評判の」という表現をよく用います。
to be の代わりに as が使われることもあります。

con artist や con man は、confidence man の俗語です。
conman と 1 語になることもあります。
同様に、con game とは confidence game の俗語で、「信用詐欺」の意味になります。
game が省略されて、con だけになることもあります。

上記の swindle の派生語である swindler, phony, trickster, fraud, imposter も、「詐欺師」という単語です。
「詐欺の被害者」には、victim, prey が使われます。


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#5「屋根の下の巴里」"Paris Under the Roof"

英語

"I for one don't believe that Egypt was the real root of European civilization.
In order for civilization to develop you need a warm climate and arable land for food production.
There's one area in Europe that fulfills that criteria which has not been explored very thoroughly.
And that's the Danube river basin."

英単語・英熟語

I for one 私としては
root 根源
arable 耕作に適する
fulfill を満たす
criteria criterion「基準」の複数形
explore を調査する
thoroughly徹底的に
basin 流域

日本語

「実は私も、エジプトだけがヨーロッパ文明の源とは考えていません。
古代文明が成立するのは、大量の食糧生産が可能な温暖なる平野部です。
ヨーロッパでこの条件を満たし、本格的発掘のなされていない地域が 1 箇所だけあります。
ドナウ河流域です」

解説

字幕では "I for one don't believe..." となっていますが、"I, for one, don't believe..." のように、for one をコンマで囲って挿入句のように表記することもあります。
主語として I 以外を取ることはないので、注意しましょう。

in order to do で「〜するために」の意味ですが、文の主語と to 不定詞の主語が異なる場合、2 行目の台詞のように to 不定詞の前に for... を挟んで主語を示します。

criterion はギリシャ語由来の単語で、複数形は criteria になります。
同様に -on で終わるギリシャ語由来の単語として、phenomenon「現象」や automaton「ロボット」があり、こちらも複数形は phenomena や automata のように -a の形になります。

それぞれ、criterions, phenomenons, automatons も使われますが、本来の複数形を知っておきましょう。


「マスターキートン」vol.1 台詞の個数行数

「マスターキートン」vol.1 台詞の個数行数
キャラクター 声優 台詞の個数 台詞の行数
平賀・キートン・太一 井上 倫宏 4 12
平賀 百合子 桑島 法子 0 0
ダニエル・オコンネル 辻 親八 0 0
ユーリー・スコット 堀 勝之祐 0 0

百合子/ダニエル・オコンネル/ユーリー・スコットも vol.1 には登場するのですが、キートンの台詞しか紹介できませんでした。