2006 年 4 月に発売された河出書房新社「KINO キノ」vol.01 に、浦沢 直樹 VS 長崎 尚志メガヒット激突対談「浦沢 直樹の売れる理由」(文:大西 祥平)という記事が載りました。
——『パイナップル ARMY』は、原作者付きだけれども、コンセプトから主にお二人のコンビで考えていったという解釈でいいんでしょうか?
長崎 そこは間違いないですね。設定は僕が作って、キャラクターは彼が担当みたいなニュアンスかな。
浦沢 タイトルは僕が付けたんだったね。
「キートン・マスターズ・ブック」で勝鹿 北星さんにほとんど触れなかったのと同様、工藤 かずやさんの存在を否定するかのような対談です。
しかし、前述の朝日新聞社「AERA アエラ」2005 年 4 月 4 日号では、長崎さんは以下のように述べています。
『MONSTER』は、はじめて登場人物から設定まで二人で一緒に考えた作品ですが、(後略)
「パイナップル ARMY」は浦沢さんが登場人物を作って長崎さんが設定した、と言いながら、「MONSTER」は 2 人で初めて登場人物から設定まで考えた、と語っており、矛盾します。
「『MONSTER』が初めて」という方が正しいなら、「『MASTER キートン』も 2 人だけではなかった(勝鹿さんも関わっていた)」ということになります。
登場人物や設定に誰がどの程度関わっていたのかは、当事者にしか分かりません。
また、原作者と作画者と編集者がそれぞれ、「半分は自分が考えて、他の 2 人は 1/4 程度ずつだな」と思うこともあり得るので、あまり深入りしない方がよさそうです。
次に、「パイナップル ARMY」の登場人物を見てみます。