#1「大阪人や」"The Osakan Gal"
英語
"You don't seem too much like an Osakan.
I was imaging a more rowdy kind of person."
"It's not like all Osakans are rowdy."
"Imposter!"
"You say I'm an imposter, but..."
"Okay, then show me your lunch!
An Osakan's lunch should have takoyaki in it."
"Just because I'm from Osaka, it doesn't mean...
Why the heck?"
英単語・英熟語
rowdy | → | 騒々しい |
imposter | → | 詐称者 |
heck | → | 地獄 |
日本語
「春日さんて、あんまり大阪人て感じしないね。
もっとうるさそうな人を想像してたけど」
「大阪人みんながうるさい訳やないから」
「にせものー!」
「にせものや言われても……」
「じゃあ、お弁当見せてよ。
大阪人の弁当には、タコヤキが入っているはずよ」
「大阪人やからて……。
何でやねん」
解説
3 行目の台詞は、"not ... all" の構文で、部分否定「すべて〜とは限らない」となります。
(1) | All | Osakans are | rowdy. | |
すべての大阪人は、うるさい(肯定)。 | ||||
(2a) | Not | all | Osakans are | rowdy. |
(2b) | All | Osakans are not | rowdy. | |
すべての大阪人が、うるさいとは限らない(部分否定)。 | ||||
(3) | No | Osakans are | rowdy. | |
どの大阪人も、うるさくない(全否定)。 |
(2b) の文末を下げて発音すると、「どの大阪人も、うるさくない」と全否定となります。
文章の場合は、部分否定か全否定か曖昧になるので、部分否定には (2a)、全否定には (3) を用いましょう。
heck は俗語で、"Why the heck?" は私の辞書には載っていませんが、"What the heck!" が「何てこった!」の意味なので、同様に解釈すればよいでしょう。
#2「今日も大阪」"Osaka's Day"
英語
"Sharks are fish.
Dolphins are mammals.
That bein' the case...
Are snails bugs?"
"I don't quite understand why it's 'that bein' the case', but...
I don't think they're bugs.
Well, I don't really know, though."
"I figured I was right.
After all, it'd be weird if a snail was part of an insect collection."
"No, I don't think that's the issue here."
英単語・英熟語
mammal | → | 哺乳動物 |
snail | → | カタツムリ |
figure | → | 結論する |
after all | → | だって〜だから |
weird | → | 不可思議な |
issue | → | 論争点 |
日本語
「サメは魚。
イルカは哺乳類。
ほんならやぁ……。
カタツムリって、虫?」
「何が『ほんなら』なのか、今一つよく分からんが、虫じゃないんじゃあないかな。
いや、よく知らないけどな」
「やっぱ、そうなんや。
カタツムリが昆虫採集に混ざってたら、変やもんなぁ」
「いや、そういうことじゃあ」
解説
1, 2, 4 行目の台詞を見比べて(4 行目は疑問文を肯定文にして)、気付くことはありませんか?
(1) | Sharks | are fish. |
(2) | Dolphins | are mammals. |
(3) | Snails | are bugs. |
(2), (3) が「複数名詞 are 複数名詞」の構文であるのに対し、(1) は「複数名詞 are 単数名詞」の構文になっています。
これは、fish が単複同形の名詞だからです。
ただし、種類が複数であることを強調するときは fishes になります。
(4) | There are three | fish. |
3 匹の魚がいる/3 種類の魚がいる(数でも種類でも可)。 | ||
(5) | There are three kinds of | fishes. |
3 種類の魚がいる(種類を強調)。 |
9 行目の台詞は、仮定法過去です。
If S1 V1 の過去形, S2 would V2 の原形. |
仮に S1 が V1 するなら、S2 は V2 するだろう。 |
V1 が be 動詞の場合には、「V1 の過去形」は S1 が何であっても were になるのが文法的には正しいのですが、口語ではこの台詞のように was も用いられます。
#3「にゃも」"Nyamo"
英語
"Miss Kurosawa and Miss Yukari were in school together."
"Yes.
Not only that, they're apparently alumni of our school."
"If we're talking about being school together, we outrank them."
"What do you mean 'outrank'?"
"The truth is, Yomi and I have been together since grade school."
英単語・英熟語
in school | → | 在学中で |
alumni | → | alumnus「男子卒業生」、alumna「女子卒業生」の複数形 |
outrank | → | より地位が上である |
grade school | → | 小学校 |
日本語
「黒沢先生とゆかり先生って、同級生だったんや」
「ハイ。
しかも、この学校の卒業生なんだそうです」
「同級生っぷりなら、あたし達の方が上だな」
「上って何や?」
「実は、あたしとよみは小学校のときから、ずーっと一緒なのだ」
解説
in school は「在学中で」の意味です。
定冠詞 the を付けないようにしましょう。
in the school だと、「学校内に」の意味になります。
alumnus は「男子卒業生」、alumna は「女子卒業生」で、複数形は alumni です。
いずれも、本来はラテン語です。
(1) | Mr. Tadakichi is not an alumnus of our school. |
忠吉さんは、この学校の卒業生ではない。 | |
(2) | Miss Yukari is an alumna of our school. |
ゆかり先生は、この学校の卒業生だ。 | |
(3) | Miss Yukari and Miss Kurosawa are alumni of our school. |
ゆかり先生と黒沢先生は、この学校の卒業生だ。 |
日本人には old boy や old girl の方が馴染みがあり、OB, OG の略称が使われますが、英語では OB のみ略語として用いられ、OG とは略されません。
grade school は「小学校」です。
elementary school, primary school とも言います。
#4「プールプールプール」"Pool, Pool, Pool"
英語
"Hey, is that a book on swimming?"
"Yes.
I borrowed it from the library during the lunch break.
We'll win the relay race next time!"
"You were on Team Yukari, weren't you?"
"Next time, we'll win Miss Yukari her steak dinner."
英単語・英熟語
be on team | → | チームの一員である |
日本語
「あれ、泳ぎの本?」
「ハイ。
昼休みに図書室で借りて来ました。
今度こそ、リレーに勝つんです!」
「ちよちゃん、ゆかりチームだったもんな」
「今度は、ゆかり先生に焼肉を食べさせてあげるんです」
解説
「泳ぎの本」の訳語が a book "on" swimming になっており、前置詞に on が用いられています。
a book "about" swimming でも構わないのですが、前置詞が on のときは専門的な内容、about のときは一般的な内容という差があります。
4 行目と 6 行目の台詞には win が使われていますが、文型が異なります。
(1) | We'll win the relay race. |
私達は、リレーに勝つ。 | |
(2) | We'll win Miss Yukari steak dinner. |
私達は、ゆかり先生に焼肉を得させる。 |
(1) は第 3 文型 S V O で、(2) は第 4 文型 S V O1 O2 です。
(2) は S V O2 for O1 と書き換えることができます。
(3) | We'll win steak dinner for Miss Yukari. |
この台詞のように、「競技に勝つ」という場合には win を用いますが、「相手に勝つ」という場合には defeat や beat を用います。
(4) | Nyamo won the relay race. |
にゃもは、リレーに勝った。 | |
(5) | Nyamo defeated Yukari. |
Nyamo beat Yukari. | |
にゃもは、ゆかりに勝った。 |
#5「なつやすみ」"Summer Break"
英語
"But man, Chiyo-chan, you sure live in an amazing place."
"It's nothing that great."
"Trust me, it's plenty amazing."
"Yeah, yeah, you've virtually won this already.
Right, Osaka?"
"I know, let's all go have fun someplace."
"If we could, we would've."
"Then, how about we all go to my summer home?"
英単語・英熟語
plenty | → | 十分に |
virtually | → | 事実上 |
日本語
「しっかし、ちよちゃんって、すげーところに住んでるんだなぁ」
「そんなことないですよー」
「十分すごいってば」
「そうそう、あんた、もう勝ったも同然だよ。
なぁ大阪」
「そや、みんなでどっか遊びに行こう」
「それができたら、してるって」
「じゃそれなら、うちの別荘にみんなで行きませんか?」
解説
7 行目の台詞を再掲します。
(1) | If we could (go have fun someplace), we would've (gone have fun someplace). |
どこか遊びに行けるなら、そうしていた。 |
仮定法過去の構文は、以下の通りです。
If S1 V1 の過去形, S2 would/could/should/might V2. |
仮に S1 が V1 するなら、S2 は V2 するだろう。 |
一方、仮定法過去完了の構文は、以下の通りです。
If S1 had V1 の過去分詞, S2 would/could/should/might have V2 の過去分詞. |
あのとき、仮に S1 が V1 していたら、S2 は V2 していただろう。 |
この 3 つを見比べると、台詞の文章は if 節が仮定法過去で、主節が仮定法過去完了であることが分かります。
TOEIC で 900 点以上を狙う参考書に載っているような、複雑な構文です。
「あずまんが大王」vol.1 台詞の個数行数
キャラクター | 声優 | 台詞の個数 | 台詞の行数 |
---|---|---|---|
美浜 ちよ | 金田 朋子 | 5 | 8 |
春日 歩(大阪) | 松岡 由貴 | 8 | 13 |
滝野 智(とも) | 樋口 智恵子 | 6 | 8 |
水原 暦(よみ) | 田中 理恵 | 7 | 9 |
榊 | 浅川 悠 | 0 | 0 |
神楽 | 桑島 法子 | 0 | 0 |
かおりん | 野川 さくら | 0 | 0 |
千尋 | 大前 茜 | 0 | 0 |
谷崎 ゆかり | 平松 晶子 | 0 | 0 |
黒沢 みなも(にゃも) | 久川 綾 | 0 | 0 |
大阪強し!
ぽわわーんとしながら、行数ダントツ。
よみの健闘は、意外です。
地道に大阪のボケを拾う努力が実りました。
暴走女子高生ともは、作品中ではよく喋っていますが、大阪に及びませんでした。
ちよちゃんは、ボンクラーズ(大阪 & とも)に押され気味。
8 行のうち 2 行は「ハイ」だけです。
女教師 2 人(ゆかり & にゃも)は喋り倒しているので、vol.2 以降で参戦が見込まれます。