「ラヂオの時間」"Welcome Back, MR. McDONALD"
英語
"Believe in the power of love!
Only through faith in love can love save you!"
英単語・英熟語
faith | → | (に対する)信頼 (in) |
日本語
「愛の力を信ぜよ!
愛を信ずる者のみ、愛によって救われる!」
解説
2 行目の台詞には、love が 2 個あります。
最初の love は前置詞 in の後だから名詞、次の love は助動詞 can の後だから動詞のように一瞬思ってしまいますが、2 個目の love が動詞だと、can love save you が「助動詞 + 動詞 + 動詞 + 目的語」となり、動詞が 2 個続いてしまいます。
ここでは、主語 love と述語 can save の倒置が生じているのです。
従って、2 個目の love も名詞です。
「only を含む副詞句」(ここでは only through faith in love)を文頭に出して強調する場合、主語と述語の倒置が起こります。
(1 ) | Love can save you only through faith in love! |
↓ | |
↓ | 「only を含む副詞句」を文頭に出して強調する場合、倒置が起きる |
↓ | |
(1') | Only through faith in love can love save you! |
「ラヂオの時間」"Welcome Back, MR. McDONALD"
英語
"The narrator would like a word with you."
"Me?"
"He'd like to go over a few points in the script."
"His job being what it is, he's sensitive to every word."
英単語・英熟語
go over | → | を復習する |
script | → | 台本 |
sensiive | → | 敏感に反応する |
日本語
「ナレーターの保坂さんが、何かお話ししたいらしいですけど」
「私にですか?」
「台本のことでちょっと質問が」
「言葉の仕事している人って、結構うるさいんだよね」
解説
would like には、1 行目と 3 行目の台詞のように 2 つの用法があります。
名詞/to 不定詞の名詞用法は続きますが、動名詞は続きません。
(1) | 名詞が続く場合 |
He would like a word with you. | |
(2) | to 不定詞の名詞用法が続く場合 |
He would like to go over a few points. |
4 行目の台詞では、関係代名詞 what が用いられており、what 節の主語は、形式主語 it になっています。
(3) | His job is what it is. |
彼の仕事は、そういうものだ。 |
更に、ここでは分詞構文を使用しています。
分詞構文は、時・理由・条件・譲歩・付帯状況を示します。
この台詞の場合は、理由ですね。
主節と従属節の主語が同じ場合、従属節の主語を省略できますが、ここでは、主節が he、従属節が his job を主語としているので、従属節の主語を分詞 being の前に置きます。
主節と従属節の主語が異なる分詞構文を「独立分詞構文」と呼びます。
通常の構文 (4) と独立分詞構文 (5) を比較してみましょう。
(4) | Because | his job is | what it is, he's sensitive to every word. |
(5) | His job being | what it is, he's sensitive to every word. |
「ラヂオの時間」"Welcome Back, MR. McDONALD"
英語
"Narrator: 'Now, Ritsuko, silent, lifts up her eyes.'
That is redundant.
'Lifts up...'
That's like saying 'an aching headache.'
You wouldn't 'lift' something 'down.'
May I change this to 'She lifts her eyes'...?"
英単語・英熟語
redundant | → | 冗長な |
日本語
「ナレーションで、『そして、リツコは黙って上を見上げた』とあります。
これは、言葉の重複です。
『上を見上げた』……。
『頭痛が痛い』と同じですね。
『下』を『見上げる』ことなんてありません。
『上を見た』に変えても、よろしいですか?」
解説
lift には、「(重い物)を持ち上げる」以外に「(顔や目)を上げる」という意味もあります。
日本語で「見上げる」「上を見上げる」の両方を使うように、英語でも以下の両方を用います。
(3) | lift | O's eyes |
(4) | lift up | O's eyes |
つまり、この台詞は日本語の直訳でそのまま、英語として意味が通じます。
逆に、直訳できないのが、別のシーンのメアリー・ジェーンとハインリヒの以下の台詞です。
「いつか、きっと売れるわよ!」 |
「5 日は 2 日前に過ぎたよ」 |
英語字幕で、どう訳されているか考えてみて下さい。
20 行空けます。
"Your day will come!" |
"I think it came and went." |
「ラヂオの時間」"Welcome Back, MR. McDONALD"
英語
"I don't have records.
Sounds are things you make."
"I need a machine gun!"
"There are so many kinds, you see...
What kind you want?"
英単語・英熟語
なし
日本語
「レコードなんてない。
音は作るもんだ」
「マシンガンの音が欲しいんだよ!」
「マシンガンったって、色々あるよ。
お望みは?」
解説
この台詞では使われませんでしたが、同一語を and で繰返しても、「色々ある」という内容を表すことができます。
2 回繰返すのと 3 回繰返すのとでは、意味が異なります。
(1 ) | There are machine guns and machine guns. |
マシンガンにも色々ある(種類を強調)。 | |
(1') | There are machine guns and machine guns and machine guns. |
マシンガンだらけだ(数を強調)。 |
名詞の代わりに動詞を反復して、強調を表すこともあります。
(2 ) | He ran and ran. |
彼は、どんどん走った。 | |
(2') | He ran and ran and ran. |
彼は、どんどんどんどん走った。 |
and が 3 つあるからといって、省略することはできません。
(3 ) | × | There are machine guns, machine guns and machine guns. |
(3') | × | He ran, ran and ran. |
「ラヂオの時間」"Welcome Back, MR. McDONALD"
英語
"Sometimes I'd like my name taken off too.
But I don't, because I have a resposibility.
Bad as the show may be, I made it.
I can't escape that."
英単語・英熟語
なし
日本語
「私だって、名前を外してほしいと思うことはある。
しかし、そうしないのは、私には責任があるからです。
どんなにひどい番組でも、作ったのは私だ。
そこから逃げることはできない」
解説
3 行目の台詞は、「形容詞 + as S V」の構造になっており、これは「譲歩の as」です。
同じく「形容詞 + as S V」の構造でも、「理由の as」もあるので、文脈から判断します。
(1) | Bad as the show is, | I like it. |
Though the show is bad, | I like it. | |
ひどい番組だが、私は好きだ。 | ||
(2) | Good as the show is, | I like it. |
Because the show is good, | I like it. | |
いい番組だから、私は好きだ。 |
escape と escape from には、以下の違いがあります。
escape from | prison | → | 刑務所から脱獄する |
escape | prison | → | 刑務所行きを逃れる |
「ラヂオの時間」台詞の個数行数
俳優 | 台詞の個数 | 台詞の行数 |
---|---|---|
西村 雅彦 | 3 | 6 |
並樹 史郎 | 1 | 6 |
藤村 俊二 | 2 | 4 |
小野 武彦 | 1 | 2 |
唐沢 寿明 | 1 | 1 |
井上 順 | 1 | 1 |
鈴木 京香 | 1 | 1 |
並樹さんの 6 行は大穴!
ネタバレしない台詞を選んでいたら、映画前半からの紹介が多くなってしまいました……。
後半活躍する方には、不利でしたね。